『ロープ』 (1948/米)

★★★★★★★★

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュアート/ファーリー・グレンジャー/ジョン・ドール 他

【STORY】
N.Y.の高層アパートの一室で、大学を卒業したばかりの青年・ブランドンが友人のフィリップと共謀して、同級生のデビッドを絞殺する。それは、自分達が他人の生死を決定できる優秀な人種であるということを証明したいがための殺人だった。そして彼らはさらなるスリルを求め、遺体を大きな箱に入れ、殺人現場であるその部屋でパーティーを開くことにする。被害者の恋人・ジャネットや近親者、大学教授らが招かれ、宴は順調に進んでいく。しかし次第に教授はブランドンらの言動に不審な印象を抱くようになり、それとなく探りを入れようとする…。

<感想>

実際の事件、ロープ=レオポルド事件にもとづく、パトリック・ハミルトンの戯曲を映画化したもの。

ヒッチコック最初のカラー映画であり、夕方から夜にかけての1時間半を、映画の進行時間と現実時間を一致させ、1シーン1カットにまとめた実験作でもあります。

この作品、一般的にはヒッチコックの作品の中では、あまり代表作というか、評価されていない作品。

だが、のぼう的には、結構ヒッチコックの作品の中でも好きな方!!

映画の進行時間と現実時間を一致させているというのもいい!

殺人の完全犯罪度は極めて低いものであるが、いつばれるか、ボロが出ないかと、ドキドキするのもあるし、なんと言ってもこの映画、ヒッチコックのカメラワークに魅了される!!

映画の最初の方で、キッチンに殺人に使ったロープを直すシーン、お手伝いの人が、死体の入った衣装箱の上に乗せていた、食器をどんどん片付けていくシーンなど。

そしてルパートが疑いを持ち、事件解決へと迫っていくのだが、事件を知っている我々視聴者は、あ~なんでこんなものを!!

あ~それは!!っていう小道具も随所に散りばめられ、見所満載な映画である。

のぼうのシネマ館でも紹介した、『完全犯罪クラブ』とは、一味も二味も違う、サスペンスを味わえると思う!!

エンディングも、「あ~終わったな・・・」っていうふたりの、そしてルパートの気持ちが、ひしひしと伝わってきます。