『炎のランナー』 (1981/英)

★★★★★★

監督:ヒュー・ハドソン
出演:ベン・クロス/イアン・チャールソン/イアン・ホルム 他

【STORY】
'24年のパリ・オリンピック出場を目指すユダヤ人青年・ハロルドと、聖職者の息子・エリック。ハロルドは人種偏見と戦うために走り、そしてエリックは神のために走るのだった。それぞれの信条に基づいて走る2人は環境や立場の違いを越え、やがて深い友情で結ばれていく…。

<感想>

第54回アカデミー賞受賞作品であり、素晴らしい音楽でも有名な『炎のランナー』であるが、内容的にはとても素晴らしいと大喜びできるものではなかった。。。

題材的には良いなぁ~と思える内容なのだが、まずもう少し“走る”シーンが欲しかった。

スポーツものという意味では走る場面が少なかった気がする。

自分の信念に向かってひた走るという意味では、ずっと走っていることになるのだけれど、実際競技として“走る”映像がもう少し欲しかった。

 

もっと燃えたかったというところだろうか。

そして、この作品の一番もったいないなぁ~と思えるところは、ハロルドが今までずっとユダヤ人であるという偏見の目で見られ続けてきたことへの思い等、彼がひた走ることへの思いがもっと深く表現されていてもいいのではないかと思える点と、もう一人の主人公宣教師エリック、彼が安息日だから走れないという結論に達し、彼の信念を貫き通す部分。

あまりにも簡単に、妹にはオリンピックが終わるまでは宣教活動に没頭できないと言い切っていたわりに、走ることをやめてしまった彼。

 

ここをもう少し彼の中での葛藤などが表現されてもいいのではないか?

と思ったりもしたし、一番核心となるべき部分があっさり気味だったのは残念であった。

それなりに面白い作品ではあったが、もう少し深く出来たのではないかとも思える作品だった。