『ポセイドン・アドベンチャー』 (1972/米)

★★★★★★★★

監督:ロナルド・ニーム
出演:ジーン・ハックマン/アーネスト・ボーグナイン/シェリー・ウィンタース/ロディ・マクドウォール 他

【STORY】
大晦日の夜。N.Y.からギリシャへと向かう豪華客船・ポセイドン号の船上では盛大なパーティーが催され、人々は優雅な船旅を楽しんでいた。ところがその時突然海底地震が起こり、大津波に襲われたポセイドン号は転覆してしまう。一瞬のうちに乗員・乗客数百人の命が失われ、生き残ったのは僅かに数名。僅かな希望に望みをかけて、彼らは真っ逆さまになってしまった船からの脱出を試みる。死と隣り合わせの極限状態の中、果たして彼らの運命は…。

<感想>

改めて観てみましたが、やはりこれはこれで別の面白さがあり、GOODですね!!

もうずいぶん昔に観た映画なんで、ほとんど覚えていなかったといった方が正しいのですが、かすかにツリーを上って行くところは記憶していたって程度で・・・。

ということで、結構新鮮な気持ちで観れたし、リメイク版とも比較しながら観れたし、また違った面白さがあって甲乙つけがたい内容でした。

大方のあらすじは同じなのですが、こちらの方がより事故の理由やら詳しく表現されていたので、内容的には良かったのではないでしょうか。

しかし、ハラハラドキドキ感はリメイク版の方に軍配あり!というところです。

そもそもこのポセイドン号は豪華客船ではあるが、不具合箇所があり、完璧な状態ではない。

何か問題が発生すれば、大変なことになりそうだという緊張感をオープニングの説明で植えつけられる。

このあたりはのちの『タワーリング・インフェルノ』に通じるものがある。

さて、そんなポセイドン号に襲い掛かる、巨大な津波!!!

そう、リメイク版ではBIGWAVEというだけで、はっきりとした原因がわからなかったものが、この作品では地震による大津波が原因だとわかる。

そして、みなの先導者はこの作品では牧師さんということだ。

この牧師さん、ジーン・ハックマンが演じているのだが、明らかに“神よ~!”というタイプではなく、

勇気を持って行動しなさい!その行動に対して、神は見守ってくれているのである。

というように、他人任せではなく自分が決断し、行動することによって道が開けるのだと説いている。

この作品の優れた点は、リメイク版のドキドキハラハラ感ではなく、この牧師さんを中心に、さまざまな人間模様がきっちりと描かれている点だろう。

そういう意味では単なるパニックムービーではなく、より深い映画に仕上がっているように思う。

その点だけを比べられるとリメイク版は劣るという人もいるようだが、それそれ突出している点が違うだけで、両作品とも非常にレベルの高い作品だし、どちらも観てあ~ぁとがっかりすることのないすばらしい作品だと思う。