『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 (2008年/米)

★★★★★

監督:デビッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/タラジ・P.ヘンソン/

ジュリア・オーモンド/ジェイソン・フレミング 他

【STORY】
妻の命と引き換えに授かった赤ん坊は、生まれながらにして80歳の容姿と肉体だった。父はショックから息子を老人ホームの玄関へ置き去りにする。ホームに引き取られたベンジャミンは、子供の持てないクイニーに愛情深く育てられ、少しずつ若返っていく。感謝祭で出会った少女デイジーは彼の秘密を理解し、心を通わせる。車椅子から立ち上がり、杖を外し、やがてベンジャミンは船乗りになった。初めて知る広い世界は、刺激的なことばかり。様々な出会いと別れを経験し、人生の喜びと悲しみをかみしめながら、ベンジャミンは数奇な時を刻んでいく…。

<感想>

80歳で産まれ、年をとると共に若返るという、人とは逆の人生を歩んでいく、ベンジャミン・バトンの生涯を描いた作品である。

 

人とは違う人生を歩まなければならない彼。

ある時は年齢の割に見た目は若くうらやましがられる時代もあるが、そのほとんどは苦労の連続である。

最初からして、実の親には不気味な子供が生まれたと捨てられ、たまたま捨てられた場所が介護施設のような所だったため、老人達と共に生活することになる。

目の前の通りでは同じ年頃の子供達は無邪気に遊んでいる中で、自分は体の自由もままならず、それを見ているだけ…。

年老いてからは逆にどんどん若返るため、最愛の家族には迷惑をかけたくないと、自分から姿を消す決断をするのだが、ラストには…。

この映画を観て思うのは、やはり普通の人生が一番いいかなぁってことだ。

その年齢に応じた社会生活があり、年齢と共に老いていく。

また家族ができ、家族と普通に生活し、同じ流れの時間を共有しながら生きていくことできるのが一番幸せなんじゃないかと思う。

周りの人々にしても、彼の最期を看取るのは辛いに違いないと思う。そんな風に思える作品でした。