『フレンジー』 (1972/英=米)
★★★★★★★★
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョン・フィンチ/バリー・フォスター/ビリー・ホワイトロー/
バーナード・クリビンス/ジーン・マーシュ 他
【STORY】
ロンドンで、ネクタイで女性を絞殺するという連続殺人事件が発生した。そんなおり、結婚相談所の女所長が同じ手口で殺害される。警察は、被害者の離婚した夫リチャードを犯人と断定、彼の行方を探し求める。リチャードは、親友のロバートのもとに身を隠すが、ロバートこそ連続殺人の犯人であった……。
<感想>
ヒッチコックがハリウッドで様々な活躍後、イギリスに戻って撮った作品。
この時期、ヒッチコックの評判も、若干かげりを見せていた時期にあたり、監督自身も力を入れて作った作品。
その成果は見事にあり、イギリス国民も非常に評価した作品だったようだ。
そんな背景のあるこの作品、イギリス人の(?)のぼうも大満足の作品でした。
まだヒッチコックの作品を全て観たわけではないけど、今まで観たヒッチコック作品の中でも、5本の指に入る見事な作品だと思う。
ちなみにその5作品、『サイコ』、『鳥』、『ロープ』、『フレンジー』、『見知らぬ乗客』である。
この作品で気に入っている部分はたくさんあるが、カメラワークで一番気に入っている箇所は、犯人が女性を自分の家に連れ込んでいくシーンで、とあるアパートの2階に居を構えているのだが、犯人と女性が2階の部屋へと消えた後、カメラはゆっくりと階下へと戻っていく。
そのまま通りも横切り、アパート2階部分を映し出す。
ってシーンがあるんだけど、その何とも言えぬ絶妙なカメラワークによって、恐怖・不安・を覚える。
また、この作品のもう一つの魅力に、担当刑事の夫婦での会話・場面がある。
これがとってもユーモラスで、笑ってしまう箇所でもある(^^♪
結局、犯人は誰か?という点で、この刑事の奥さんの推理と言うか、直感が見事に当たっていた・・・。
他にも好きなシーンはたくさんある、この『フレンジー』。
一度観て欲しい作品ですね。
最初から最後まで飽きることなく、途中クスっと笑ってしまう箇所もあり、楽しめる作品です。
← 今回のヒッチコック登場シーン
市長(設定が市長かどうかは定かではない・・・?)の演説を聞いているヒッチ先生。
市長が公約を掲げみんな拍手をしている中、ヒッチ先生だけは憮然とした表情でしたね・・・。
そんな公約は守られるはずが無いとでも思っていたのでしょうか???