『フリーダム・ライターズ』 (2007/米)

★★★★★★

監督:リチャード・ラグラベネーズ
出演:ヒラリー・スワンク/スコット・グレン/イメルダ・スタウントン/

パトリック・デンプシー/マリオ 他

【STORY】
ロス騒動から2年後の、1994年のロサンゼルス。ウィルソン高校に通う生徒たちは、人種ごとに結束してギャングまがいの抗争に明け暮れていた。そんななか、理想に燃える新任教師・エリンは、貧困や暴力がもたらす子供たちの荒廃にショックを受けながらも、彼らを救うことに情熱を注いでいく。やがてエリンは、みずからの出資で生徒たちにノートを買い与え、そこに思ったことを自由に書き込むように提案し…。

<感想>

実話を元にした作品ということもあって、内容的には良い作品だと思う。

しかし、何か物足りないというか、物語が若干薄っぺらい物となってしまっているようにも思う。

人種間の問題、家庭での問題など様々な問題を抱えている荒廃したクラスが、ある教師の行動により、見違える変化を遂げるといった内容の作品で、良いのであるが、映画の作り方に少し問題があるのではないだろうか?

淡々と荒廃したクラスが良くなっていくのはいいんだが、あまりにも素直すぎないか?

本当にそんなに簡単なものだったのか?

そして、これもちょっと変わった見方をすれば、この生活が生きがいとなるエリンはいいが、その家族であるだんなの立場も何だか分かる気がする。

と、これはこの作品の主となる部分ではないが、描くのであればその辺の部分はこれでいいのか?

描いている以上、気になる部分ではあるし、どうせなら描かなくても良かったのでは?

確かに良い話ではあるんだけど、最後の方のこの教師のやり方にも少し疑問を覚えたり、映画の作り方にもいまひとつ大絶賛するには及ばないという部分もあったりと、評価的には幾分厳しくなってしまう作品でした。