『HACHI』 (2009/米)

★★★★★★★

監督:ラッセ・ハルストレム

出演:リチャード・ギア/ケイリー・ヒロユキ・タガワ/サラ・ローマー/

ジョーン・アレン 他

【STORY】

アメリカ、郊外のベッドリッジ駅。寒い冬の夜、迷い犬になった秋田犬の子犬を偶然保護したパーカー・ウィルソン教授は、その子犬を飼うことにする。首輪についていたタグに刻まれていた漢字から「ハチ」と名づけられた子犬は、パーカーのあふれるような愛情を受けてすくすくと成長していく。いつからか、夕方5時になると、ベッドリッジ駅で帰宅するパーカーを出迎えるのが日課となったハチだったが…。

<感想>

忠犬ハチ公のアメリカ版の作品である。

 

全編、すごいドラマやハプニングがあるわけでもなく、本当に淡々と話が進んでいくが、変に脚色し、ウソ臭い作品とするよりもずっと良かったと思う。

 

静かな作品であるが、主人を待つ犬を追い続けるような映像だけで十分感動してしまう作品だった。

 

出会いは駅のホーム。

 

初めは家族に反対されていたが、結局飼うようになり、そこから犬との物語が始まる。

 

駅のホームで出会った時のHACHIはコロッコロとして、本当にかわいい。

 

大きくなり、主人の帰宅時間である夕方5時には必ず帰りを駅で待つ。

 

それがまた本当にかわいい。

 

自分のも、もしそんな状況があればいいなぁと羨ましく思った。

 

そんな関係も主人の突然の死によって、ガラッと変わってしまう。

 

家族は引っ越し、HACHIも新居へ連れて行かれる。

 

しかしHACHIは逃げ出し駅へ行く。

 

今まで同様、帰らぬ主人を待ち続ける。

 

結局10年も主人を待ち続ける!HACHIも年老いてくる。

 

それでも待ち続ける。

 

その時のHACHIの表情がたまらない。

 

思わず涙ぐんでしまう。

 

犬よりも猫が好きなのぼうであるが、犬の表情はやはり猫にはないものだなぁと改めて思う。

 

後半部分は主人を待つHACHIに焦点が当たり、その表情に引きつけられた。

 

オスカー張りの演技である。ラストの終わり方もなかなか好きな感じで締めくくられているし、派手さはないが良い作品だと思う。