『ハンニバル・ライジング』 (2006/英=チェコ=仏=伊)

★★★★★

監督:ピーター・ウェーバー
出演:ギャスパー・ウリエル/コン・リー/リス・エヴァンス/

ケビン・マクキッド/ドミニク・ウェスト 他

【STORY】
1952年、リトアニア。ハンニバル・レクターは、戦争で家族と死に別れ、記憶の一部を失っていた。やがてレクターは、ソ連の孤児院での厳しい制裁から逃れるため、唯一の血縁である叔父を頼ってパリへ逃亡。そこでレクターは、後の彼の人格形成に大きな影響を与えることになる、とある美しい日本人女性と出遭う。そんなある日、彼女が侮辱を受けたことをきっかけに、彼の封印されていた闇の扉が開き、内なる狂気が目覚めはじめ…。

<感想>

『羊たちの沈黙』シリーズの、今回は“ハンニバル・レクター”が誕生するまでのお話だが、あ~なるほど、レクターの幼少期にこんなことがあったのか、と思える作品ではある。

しかし、『羊たち』の時に感じたレクター博士の研ぎ澄まされた、異常性と緻密性など、彼の魅力から考えると、この作品ではその魅力を表現できていないような気がした。

この作品を1本の単体の映画としてみれば、普通になるほどなぁ~と思えるような作品なんだけど、こと『羊たち』のレクターつながりで作られた映画としては、納得できないというか、平凡だなぁ~という感想しか出てこない内容だった。

『ハンニバル』のときにも書いたが、レクター博士のしていることは確かにグロイことなんだが、そっちを表現しすぎる作品はあまり好きでない。

この作品もちょっとレクター博士のグロイ部分のほうが優先されているような気がする。

まぁ作品名にもあるようにハンニバルの誕生についての話なんで、グロくなってしまうのかもなんですがね。

のぼう的には、『羊たちの沈黙』『レッド・ドラゴン』をひとまとまり、『ハンニバル』『ハンニバル・ライジング』をひとまとまりという分け方をしたいなぁと思った。