『何がジェーンに起ったか?』 (1962/米)
★★★★★
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ベティ・デイヴィス/ジョーン・クロフォード/アンナ・リー/
ヴィクター・ブオノ/メイディー・ノーマン 他
【STORY】
古びた屋敷には姉妹であるブランチとジェーンが生活していた。ジェーンは可愛らしい名子役で一世を風靡したが、成長してからは仕事も無く、美貌のブランチの下で鬱屈した生活を送っていたのだった。そんなある日、ブランチが事故で半身の自由を失ってしまう。立場の逆転したジェーンは、押え付けられていた鬱憤を、陰湿ないじめで晴らそうとする。やがてブランチは、ジェーンのもとから逃げ出そうとするのだが…。
<感想>
サイコものの作品として観てみたのだけど、突っ込みどころが満載のためそれほど高評価にはならなかった。
オープニングの車の衝突シーンのところなんかは、人形の壊れた顔を何回も何回も間をおいて、しかもだんだんとアップに映し出していくあたり、う~んなかなか雰囲気を出してくれるじゃないか!
と喜んでいたのですが、だんだんと話が進むにつれ、トーンダウンしてしまった・・・。
普通ならだんだんと盛り上がっていくような作品のはずなのに、逆になってしまったのは痛かった。
確かにこのジェーン役のベティ・デイビス。彼女は本当に恐ろしかった!
いや恐ろしかったというよりも気持ち悪いといった方がいいかも。
なんとも言えず不細工で、この彼女が少女時代一世を風靡したかわいい娘とは思えない風貌・・・。
しかしそのギャップがあるからこそ、この物語は成り立つのかもしれないが。
そんな彼女、いや老婆が突然怒り出したり、ぶりっ子したり・・・。
怒っているシーンなんかはとてもよく、ぴったり何だけど、ぶりっ子のシーンは堪えられなかった・・・。
気持ち悪すぎた・・・。今は亡き鈴木その子がぶりっ子しているように思ってしまった・・・。
だいたいこの作品の設定自体がちょっと受け入れられず、何でだろう?とずっと思いながら観てしまい、もっと恐怖しなければいけないところも、あまりの気持ちの悪さに恐怖でもなくなってしまった。
疑問に思った点は、足の悪い姉がなぜ2階に?トイレ・風呂はどうするのか?
そしてジェーンの変貌振りはなぜこのタイミングなのか?などなど・・・。
もっとものめりこめなかった原因は、なぜこのタイミングで変貌したかの理由付けが弱い。
事故によって足が不自由になったのは若い頃だし、今の年齢になるまでは一応なりとも、何事もなく生活していた姉妹が(多少のいざこざはありそうな設定だが・・・)、
どうして今なのか?姉が家を売ろうとする、妹のジェーンを病院の先生に診せるようとする、といった原因が考えられそうだが、それでも何だか納得いかなかった。
そして最後の姉の告白である。あ~そんな気はしてたよってな告白だけど、それって本当に誰も分からないか~と突っ込んでしまいたくなった。
そんな風にちょっと意地悪に観てしまったので、面白い映画だったとは言いにくい感じですね。