『独裁者』 (1940/米)

★★★★★★★

監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン/ポーレット・ゴダード/ジャック・オーキー 他

【STORY】
世界制覇の野望を燃やすトメニア国の独裁者ヒンケルは自由を排斥し、言論を弾圧して暴虐の限りを尽した。毅然と立ち向かっていったのは、偶然にもヒンケルとうりふたつのユダヤ人理髪師。彼は独裁者の仮面を剥いで、ユダヤ人への非人道的な迫害を訴える。そして、全世界の人々に自由を取り戻すために闘うことを呼びかける…。

<感想>

チャップリン作品の中では超長編となる『独裁者』。

この作品は単なる喜劇、コメディ作品とは呼べない、チャップリンのしっかりとしたメッセージが込められた作品でした。

オープニングの戦場でのシーンでは見事なコメディで笑わしてくれ、チャップリン様々である。

そこから帰還後の話はコメディ一辺倒ではなく、むしろ社会派路線としても十分通用するような、ユダヤ人迫害に対する話が主題になっている。

ただチャップリンのうまい所というか、よく考えられた所は、そんな重い内容の話も巧みな笑いで和ませてくれるところだろうか!

だからと言って軽いものにはせず、エンディングで彼が語るように、自由というものに対して、ちゃんとメッセージを残してくれている。

チャップリンの一人二役も見ものだし、当時、時代が時代だけに、この映画を作れたこと自体が凄いことだなぁと思える内容の作品でした。