『TSUNAMI 津波』 (2006/米)
★★★★★★
監督:バハラット・ナルルーリ
出演:ティム・ロス/キウェテル・イジョホー/ソフィー・オコネドー/
ヒュー・ボネヴィル/トニ・コレット 他
【STORY】
前編
2004年12月25日。タイ南部のリゾート地、カオラック・ビーチにあるホテルに、イギリスから2組の家族が到着した。翌26日の朝、妻をダイビングに送り出したイアンは、娘とビーチで遊んでいたところで地震に襲われる。やがて大津波が発生し、報告を受けたイギリス大使館員のトニーは、教育支援ボランティアのリーダーと共に被災地へ向かい、想像を絶する惨状を目の当たりにして…。
後編
同月29日。キムはイギリス大使館員のトニーに掛け合い、重体の息子をイギリスへの避難便に乗せた。一方、一人娘を亡くしたイアンとスージーの溝は深まる一方だった。やがてスージーは津波で親とはぐれた少女を引き取り、亡き娘の代わりに育てはじめる。イアンは頭では絶望的だとわかっていながらも、まだ娘の生存の可能性を捨てきれず、必死に探し続けて…。
<感想>
2004年スマトラ島沖で大地震が起こり、その時発生した津波により甚大な被害をもたらした。
その状況を体験者の話を元に作られた作品である。
内容が内容なだけに、集中して見れるのだが、とにかく長い!
3時間を超える作品で、第1部、第2部と区切られて収録されている。
もうちょっと短ければもっと良かったのになぁと思う。
しかし、最初の10分で津波そのものは終わり、その後はひたすらメインである2つの家族を中心に、それぞれの家族の話やなんかだけで引っ張れたのは作品に力があるからなんだろうな!
子供が行方不明となった夫婦のやり取りは真に迫った演技で、見ていて辛いものがあった。
今回クローズアップされている家族はごくわずかだが、実際には何十万人という死者・行方不明者が出た災害で、それぞれ似たような状況なんだろうなぁと考えさせられる。
わが国も地震大国で、頻繁にどこかで被害が出るが、本当に自然の恐ろしさを改めて感じさせられた。
それと共に、こんな状況でもやはり金儲けに走るヤツはいるんだと悲しくなった。
津波の被害をモロに受けた村をリゾート地として最良の場所だからと、まだ遺体がそのまま放置されているような現状の中、再開発へ動き出していた!
被害者、記者、ボランティア、政府、リゾート開発者など、様々な立場の人々のそれぞれの言動をちゃんと描ききった、長い作品ではあるが見ている者の心に訴えかける作品でした。