『誰も守ってくれない』 (2008/日)

★★★★★★★★

監督:君塚良一
出演:佐藤浩市/志田未来/松田龍平/石田ゆり子/佐々木蔵之介/柳葉敏郎 他

【STORY】
ある日突然、未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまった船村家。両親と15歳の妹・沙織は状況も分からぬままマスコミの激しいバッシングに追いつめられていく。そんな中、刑事の勝浦は容疑者家族の保護という任務を命じられる。そして家族三人を別々に保護するため、同い年の娘を持つ勝浦が沙織を担当することになるのだが…。

<感想>

なかなかグッと引きつけられた良い作品でした。

テーマ的には難しいものを扱った作品ですが、現在の社会をうまく表現できていたのではないかと思う。

犯罪、それも殺人を犯した者の家族と被害者、そして社会(マスコミなど)の対応を追った映画で、それぞれの立場や状況などをリアルに表現していたと思う。

視点としては加害者である家族の状況がメインとなり、まあ想像通りの扱いを受けるんだなぁと、被害者家族側からすれば当然なのかなぁといった展開だった。

しかしその一方で加害者の家族、何も悪いことをしていない家族にとっては、本当に昨日までとは全く違う現実となるわけで、その部分ではやはりショックを受けた。

そんな中、許せないのがおもしろ半分で繰り広げられる、ネット上での誹謗中傷…。

実名はもちろん、住所や写真も公開し、だれが一番情報を持っているかで、遊んでいる。

そして悲しかったのが、加害者妹が家族とも離れ放れになった状況の中で、一番安心できる存在だった彼氏の行動だ。

まさにこのネット上でのやりとりに一役買っていた…。最低だと思った。

まさに誰も守ってくれないのだ!というように、いざ犯罪者が出た時の現状がうまく盛り込まれていたように思う作品だった。

被害者の心情を考えると・・・加害者の家族たちは・・・?など、様々な観点から考えさせられる映画だと思う。