『象の背中』 (2007/日)

★★★★★★★

監督:井坂聡
出演:役所広司/今井美樹/塩谷瞬/南沢奈央/井川遥/高橋克実/白井晃 他

【STORY】
突如肺がんで余命半年と宣告された48歳の会社員・藤山幸弘。通常であれば少しでも長く生きるための治療を施すところを、彼はそうしなかった。考えた末、残りの時間をこれまでの人生でお世話になった人、大切な人々に別れを告げることに費やそうと決意したのだった…。

<感想>

涙しながら観た。なかなか良い作品だった。最近この手にの作品にはめっぽう弱くなってしまった…。

歳とったということなんだろうか?しかし完璧にいい作品かと言うと、多分違うんだろう。

世間の声として、愛人を持つ者が何が家族愛だ!と聞こえてきそうだし、実際、のぼうもこの主人公の行動に疑問も抱かないわけではない。

がんと告知され、余生を家族と一緒に生きようと決めた者が、舌の渇かないうちに愛人と過ごしてみたり、最後の最後に愛人と奥さんが病室で会う状況になってしまったり…。これはあかんやろ!と思う。

そしてこの奥さん、さらには家族みんながあまりにも出来すぎた家族で若干現実離れし過ぎという声も聞こえてきそうだ。

っとまあいじわるな見方をすればそれまでの作品で、評価も低いかも知れない作品だが、のぼうはそれでもやっぱりこの映画は良かった方に入る。

ガンと告知された者とその家族、そして今までの人生で関わって来た人々との物語ととらえ、共感できたし、死と向き合った際の生き方みたいなものを考えることができた。

実際はこの作品のようにいかないことの方が多いのかも知れないが、素敵だなぁと思えた作品でした。