『呪霊 THE MOVIE~黒呪霊~』 (2004/日)

★★★★★

監督:白石晃士
出演:若槻千夏/上野未来/一戸恵梨子/小倉一郎/千野弘美 他

【STORY】
紀子はある日、インターネット上で広がっている恐ろしい噂を耳にする。それは、悪霊に取り憑かれて死んでしまったある少女が真っ黒な霊となって現世を彷徨い、その少女に接触した者は呪われ、その呪われた人間に触れた者も呪われる、という至極不気味な噂だった。やがて、父親からの電話が妙な切れ方で終わり、弟が部屋の電気をつけた瞬間消えるようにいなくなるなど、紀子の周囲で不可解な現象が起こり始める。そして、恐怖におののく彼女の携帯に着信が。相手は、黒い少女の話を紀子に教えた友達の仁美からだったが…。

<感想>

名前もそうだが、霊の出るあの独特な音まで『呪怨』とよく似ているこの作品、しかし!なかなかどうして、結構楽しめる作品で、個人的には『呪怨』よりも好きかもしれない!!

まず、作品の作りが独特で、結構気に入ってしまった!

一般的な作品ではたまにあるんですが、ホラー作品としては珍しいリバースものです。

そう、まず結末から物語がスタートし、事の発端がラストになるという作風です。

これがなかなかよく出来ていて、次々観ていくうちにつながりが分かっていきます。

当たり前でしょ!っていう声も聞こえてきそうですが、それがなかなか当たり前でなかったりもするんです。

リバースするんだからつながって当然って気もしますが、今まで観たこういった作品で、結局話がややこしいだけで、さっぱりわけが分からん!ってものを何本か観たことがあります。

そういう意味では非常に分かりやすく、作られていたので、リバースものとしては成功かと!!

ただ、最後まで観ると、事の発端は分かり、そしてオープニングまでのつながりも完成し、一応作品としての流れはなるほどとなるんですが、そうすると弱い!!

ものすごくオープニング(いわゆるラストとなる部分)が弱い!!

これはせっかくの作品だったのが、観終わってしまうことによって、何でや?となる。

オープニングをもっとしっかりとしたものにしてあったならば、結構評価できる内容だった。

心霊ものの映画の中では、非常にオーソドックスに怖がらせてくれるし、作品の作りも斬新だっただけに、最後まで観た時のひょうしぬけたような感覚はつらかった・・・。