『刑法第三十九条』 (1999/日)

★★★★★★

監督:森田芳光
出演:鈴木京香/堤真一/岸部一徳/吉田日出子/山本未来/樹木希林/

江守徹/杉浦直樹 他

【STORY】
東京の住宅街で、刃物による残忍な殺人事件が起きる。容疑者として逮捕されたのは、柴田真樹という青年だった。裁判が始まると柴田は奇行を繰り返すようになり、弁護士は精神鑑定を要求する。藤代教授の鑑定の結果は二重人格と出るが、助手の小川香深はその結果に疑問を抱いていた…。

<感想>

映画のタイトル通り、刑法第三十九条について描かれた作品である。

刑法第三十九条とは「犯罪の不成立及び刑の減免」に関わる条項のひとつで、「心神喪失者の行為は、罰しない」「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」というものである。

犯罪者の精神鑑定により罪が軽くなったとかニュースなどでもよく聞くが、やっぱり納得できないと常に思っている。

どんな状態であれ、罪は罪だと思うし、犯罪者のその後がどうのという以前に、被害者のこと、被害者の遺族のことをまず考えるべきだと思う。

そんな感情を抱かせる刑法第三十九条にメスを入れようとするこの作品。

ミステリー要素も若干含まれており、なかなか良い作品でした。

しかし、何せセリフがこもって、ボソボソと聞きとりにくい…。

また映像も古くさい日本映画のようであり、さらに登場人物は皆が何処か精神的におかしいのではないかと思える者ばかり…。

全て狙って作られているのだろうが、表面的にはあまりいいとは思えなかった。

ただ、内容はよく出来ていたし、犯罪者を演じる堤真一には感心した。

彼が犯した罪、そして彼自身の取った行動には、やはり刑法第三十九条は見直すべき法律なのではないかと改めて思う作品となっていました。