『下宿人』 (1926/英)

★★★★★★

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:アイヴァー・ノヴェロ/マリー・オールト/マルコム・キーン/ジューン/

アーサー・チェスニー 他

【STORY】
ブロンドの女ばかりを狙う連続殺人犯の正体とは? サスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督のサイレント映画。"切り裂きジャック事件"をモチーフに映画化した初の本格サスペンス。19世紀末のロンドンで、ブロンドの女性ばかりを狙った連続殺人事件に街が不安に慄く中、マントで顔を隠したひとりの男がある下宿屋を訪れる・・・。

<感想>

ヒッチコックが手がけた初となるサスペンス映画。

いや~お見事!!これが今から約80年前に作られた映画だとは思えない!

もちろん、サイレント映画で、所々の会話が字幕で表現されるだけなんで、会話すべてが分かるわけではない。

しかし、要所要所の会話だけでも十分理解できるし、緊迫感も伝わってくる。

ヒッチコックお得意の光と影をうまく使った技法、絶妙なカメラワークもある。

そして、最後にはどんでん返しで、ハッピーエンド!

最初下宿先に下宿人が現れるシーン、下宿人が夜出て行くのをこっそり大家が影を追って見ているシーン、2階で下宿人がイライラと歩き回る様子を撮っているカメラワークなど、まさに絶頂期のヒッチコックを思わせるような作品レベルの高さに満足のいく映画でした。

現在の映画、そしてヒッチコックの絶頂期の作品を知っているだけに星6つという評価ではあるが、この時代でここまでのものを作れたってことには星評価以上の評価をしたい作品。

いや~改めて、ヒッチコックの凄さを確認できる1本でした。

同じサイレントのヒッチコック映画でも、くだらないものもあので、この映画は“サスペンス”であったというのが大きかったとは思いますが・・・。

← 今回のヒッチコック登場シーン

これがヒッチコックが自らの映画に登場した、最初の場面。

 

ほぼラストのシーンの野次馬として登場。

このときは本当にお金がなく、エキストラとして登場せざるを得なかったとか・・・。

その後、観客がヒッチコックを作品中に探す目的も出来てしまったので、映画に集中さすため、映画の冒頭あたりで、登場するようになる。