『グラン・トリノ』 (2008/米)

★★★★★★★★

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド/ビー・バン/アーニー・ハー/

クリストファー・カーリー 他

【STORY】
妻に先立たれた頑固な老人・ウォルトは、周囲に心を開かないまま一人暮らしを続け、そんなウォルトに息子たちも寄り付こうとしなかった。一方、ウォルトの隣に住む少年・タオには父親がなく、タオは学校にも行かず、仕事もせず、自分の進むべき道が分からないまま日々を送っていた。そんなある日、タオはウォルトが何よりも大切にしているヴィンテージ・カー『グラン・トリノ』を盗み出そうとする。それに気づいたウォルトがタオの謝罪を受け入れたときから、2人の不思議な関係が始まって…。

<感想>

これが最後の出演となるであろうクリント・イーストウッドの作品。

この作品もそうだが、監督としても素晴らしい作品を作ってくれているクリント・イーストウッド。

これからは監督業だけに専念して、更に素晴らしい作品を作ってくれることを期待するが、もう彼の出演している作品を観れないかもしれないのは、やっぱり残念な気がするね…。

ただ最後の出演かもしれないこの作品が、彼の魅力、味を存分に出している作品だったのには、拍手を送りたいと思う。

頑固じじいと隣人とのやりとりを、ここまでのものに作り上げるのは、監督としても、俳優としてもさすがだなぁと思う。

血を分けた身内よりも、他人の方が本当の家族に思えることもあるということ。

そして男としての生き様みたいなものが、この作品を通してひしひしと伝わってくる。

ラストの辺りは同じクリント・イーストウッド監督の作品、『パーフェクト・ワールド』を思い出してしまう。(こちらの作品もぜひ観て欲しいものである!)

ただちょっと残念なのが、この隣人の男の子に対して、どうしてそこまでの感情を抱くようになったのか、という描写が弱かった気がする点である。

それ以外は本当に素晴らしい内容だった。