『硫黄島からの手紙』 (2006/米)

★★★★★★

監督:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙/二宮和也/伊原剛志/加瀬亮/中村獅童/裕木奈江 他

【STORY】
2006年、硫黄島の地中から数百通の手紙が発見された。それは、かつてこの島で戦った男たちが、家族に宛てて書き残したものだった。時は遡って1944年6月。悪化する戦況のなか、日本軍の最重要拠点・硫黄島に、新指揮官・栗林中将が降り立った。過酷な環境下で、栗林中将は地下要塞の建設を押し進める。この地下要塞こそが、アメリカ軍を迎え撃つ、最後の秘策だった。こうして栗林中将の指揮のもと、5日で終わると思われた硫黄島の戦いは、36日間にも及ぶ激戦となり…。

<感想>

『父親達の星条旗』と2本立てで撮られたうちの1本で、日本側からの視点で描かれたのがこの作品。

全体を淡~い色で撮られた作品なのが印象的だ。

どこの戦場でも日本側が負け、兵力的にも落ち込み、敗戦色が強い中、硫黄島で一戦交えるために準備し、戦った者たちを描いている。

『父親達の星条旗』は戦争に勝ち、その後の英雄話が核となっていたが、『硫黄島からの手紙』はまさに戦いまでの話が中心であり、当時の日本人の心みたいなものを感じることができたので、どっちがいいかと言えば、この『硫黄島からの手紙』の方が良かったと思う。

アメリカから見た日本的な作品ではなく、ちゃんと日本的な感情も表現されていたり、これを日本の監督が撮ったのではなく、アメリカの監督、クリント・イーストウッドが撮ったということに対して、彼の凄さがわかる作品でもある。

今から思えば愛国心だの、お国のために自害だの信じられないことだが、当時はまさにそれが当たり前であり、違うものは非国民であるという扱いをされていた。

何という時代だったんだろう。戦争とはいかに意味のないことなんだろうと思う。

基本的に戦争ものは嫌いなので、評価は高くならないが、なかなか良い作品であったと思う。

ただ、セリフが聞き取りにくい…。

これは日本語が映画に向いてないんじゃないだろうかと思うほど、聞き取りにくい。

何回も見ようとは思わないけど、2作品をセットで一度観てみるのはいいかもなぁと思えた。