『明日の記憶』 (2005/日)
★★★★★★★★★★
監督:堤幸彦
出演:渡辺謙/樋口可南子/坂口憲二/田辺誠一/袴田吉彦/
吹石一恵/水川あさみ/及川光博/香川照之 他
【STORY】
広告会社の営業マンとして働く雅行は、時に家庭を返り見ないほど仕事に没頭してきた。大きなプロジェクトと娘の結婚を控え、忙しい日々を送っていたが、50歳を前にしたある日、原因不明の体調不良に襲われる。ミーティングを忘れたり、部下の顔が思い出せず、心配になった雅行は病院を訪れ、医師から「若年性アルツハイマー」の診断を受ける。そんな雅行を、妻の枝実子は献身的に支え、一緒に病と闘うことを決心する……。
<感想>
うん、この映画今年観た中で、いやこれから今年観る映画の中で一番の映画となるでしょう!!
というよりも今までのぼうが観た映画の中でも評価MAXの5つ星映画で、かなり上位の映画となりました!
年齢を問わず、男女を問わず、好みを問わず、すべての人に一度は観てほしいと思う作品です。
122分の上映時間中、いったい何回泣いただろう。こんなに泣いた映画も珍しい。
それはまんまと泣かされたというものではなく、本当に自然に出てくる涙。
すっかりこの物語の一員となって、涙しているといった状態。
診断の結果、若年層アルツハイマーだと分かったあとの、夫婦の会話のシーン。
結婚式でのスピーチでのシーン。会社を退職するときのシーンetc・・・。
本当にたくさん泣いた映画だった。
ひょっとしたら死を迎える宣告をされるより、ショックが大きいのではないかなぁ~という、若年層アルツハイマーを宣告される。
まったく自分というものが、記憶というものがなくなってしまうという状況を本人を含め、家族、周りのものがどう向き合い、かかわっていくか。
それをこの映画では本当に見事に表現していた。
渡辺謙の演技は本当にすばらしいもので、さすが!!!といわざるを得ないものだったが、今回は樋口可南子も本当にすばらしかった!!!
何度も何度も「あなたが悪いんじゃない。病気がそうさしてるのよ」と相手に、そして自分にも言い聞かせ、でも一瞬、玄関から飛び出し泣き崩れるシーン。
しかしすぐ泣いてはだめ!とがんばる彼女。
観ていてとても強い人だと思いました、本当にありがとうと言いたくなってしまいました。
難病をテーマにした作品ですが、ただ重たいだけの作品ではなく、どこか切なく、美しく、やはり悲しく、怖い。
いろんなものがミックスされた映画で、観ていて辛いだけの映画ではない。きっと何度も観たくなる映画の1本となりました。
なかなか文章ベタののぼうがこのすばらしさを表現しようとしても難しいのですが、本当にぜひ一度、観て!と言い切れる映画です。
そして自分自身で、この映画を観ていろんなことを思って欲しいと思います。
のぼうはこの映画が公開している時、同時期に公開していた『ダヴィンチ・コード』を観に、久々に映画館へ観に行ったのですが、こっちを観ておけば良かったなぁ、と思ったりします。
まぁそれは仕方ないのですが、この映画に出会えて本当に良かったと思えるほど、すばらしいものでした。